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■子供とともに■

3歳の甥っ子が急に「びんらでぃんし!びんらでぃんし!」と叫びます。もちろん何のことか分かっていません。「おまえなんて、ほうちょうできってやるー!」といった言葉にびっくりして叱ったこともあります。これももちろん深い意味などは分かっていないことでしょう。まだ幼稚園にも行っていないのですから、おそらくテレビで耳にした言葉や、目にした事を覚えてしまったのだと思います。

とにかく甥っ子は、3歳にして大人の観るような番組を観てしまっているようです。それには親やテレビ局、社会全体、もちろん近くにいる私にも原因があると思います。テレビ番組は、私自身も観るのが辛くなるような番組が度々あり、すぐに変えてしまいます。そして、これを子供が観たらどうしよう!と、とっさに時計を見て、全国の子供達が起きている時間ではないか確認してしまう癖がつきました。そしてその番組を観ていない事を願ってしまうのです。また、私たちが子供の頃はよく読みなさいと言われた新聞も、最近はあまり読んでほしくないなぁと感じてしまうのです。

その甥っ子は、私が外壁タイルを太陽の光に当てながら色合わせをしていると、ジーッと見ていて「この色にはこの色があうと思うよ!」なんて言ってきます。いろいろな仕上げ材を広げて、色合せをしている私を度々見ているうちに、どうやら色に興味を持ってしまったようです。最近では「このGパンにはこの色のくつ下とくつ!」と言っては、自分で服などをコーディネートして着ています。ガーデナーが甥っ子の家のアプローチを作ってくれている横で、私がプレゼントしたタイルを鮮やかに並べて、私たちを驚かしてもくれます。

甥っ子を見ているだけでも、無限大に可能性を持っていることを感じます。また、私たちのやっていること、テレビで言っている事を真似して大きくなっている事を目の当たりにすると、子供達に大きな影響を与えているのが私たち大人であることも実感し、責任を感じます。

今年は本当に辛く悲しい事件が多くあり、今でも解決していない状態です。苦しんでいる人々や子供達の事を思うと胸が苦しくなります。大人達のエゴを強く感じた1年でもありました。今年起きてしまった数々の不幸な出来事は、この2001年に置いて行きたい。そして2002年は、今までの良くない出来事を反省して行き、どんな小さなことにも感謝して行きたいと思っています。

子供達が、愛、思いやり、優しさ、和という心温まる出来事をより多く感じて、そういった言葉がたくさん耳に入るような世の中にしていきたい。そして、世界中の人々が平和に暮らしていけることを願い続けたい。まずは、自分自身が心掛けて生きていくことだと実感しています。