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■ハイデルベルグ(ドイツ)&豊橋■

今年の7月に行ったヨーロッパ旅行の始まりはドイツでした。フランクフルトから車で約1時間半ほど南下した場所にある「ハイデルベルグ」を最初に尋ねました。「哲学の道」があるゲーテの愛した街です。

ハイデルベルグは、ネッカー川を中心に古い街並みで形成されていました。ネッカー川にかかる最古の橋からは、小高い丘に建つ「ハイデルベルグ城」を眺めることができます。ちょうど豊橋市に置き換えると、「とよ川」と「吉田城」、「吉田大橋」の関係に少々似ています。

その小高い丘の上に建つハイデルベルグ城から街を見下ろしたのですが、それは本当に美しい眺めでした。街には、高級感あふれる建物や、新しい建物が建っているわけでは決してありません。むしろ、古くて素朴な建物が多い「田舎町」という雰囲気です。
建物の新しさから言えば、豊橋の方がずっと新しい建物ばかりです。ハイデルベルグほどの古い建物を豊橋で探そうと思っても、そうそう見つかるものではなさそうです。でも、とても美しいのです。

ハイデルベルグは、街全体の色味がこの風土にとても調和していました。
街の建物の屋根は、すべてこの地域の赤土を使った瓦だと聞きました。なるほど納得..。
屋根の色が街全体で統一されているのは一目瞭然だったのですが、その土地の土を使っているのだから、屋根の色がその土地の川や木々、草や土など全ての色に調和しているのでしょう。

街の中を歩いていても同じことが言えました。街中の道には石が敷き詰めてありました。その石畳に調和するかのように建ち並ぶ建物、そして外灯、看板。何を基準に調和させているのか分かりませんが、言えることは環境を無視した建物はひとつも建っていないということです。
環境は、自然がもたらすものもありますが、加えて人間が作り出す環境もあります。その場所に建つ建物も環境のひとつで、とても大切なものです。
自分の建物だけが目立てばいい!素敵であればいい!などと考えるのではなく、お互いに調和する建物を作っていけば、おのずとハイデルベルグのようなステキな街が出来上がってくると思うのです。

日本に戻って来てから、以前から気になるところがたくさんある街並み、何度も眺めている街並みを見るために、豊橋市役所の最上階にある展望室に行きました。
以前の豊橋はきっと美しかっただろうなぁ...。立派な建物じゃなくても、三河の土や木を使った家ばかりだった頃は、心休まる街並みだっただろうなぁ...。そう感じながら眺めていました。

「 新しいもの」がすべて優れているかと言えば、そうでもない気がしてなりません。