ちょうど4ヶ月ほど前、私が入会しているインテリアコーディネータークラブの研修旅行で、タイのバンコクに行ってきました。
バンコクは、日本の夏を感じさせるような蒸し暑さでした。そのうえ、飛行場に迎えに来てくれた観光バスはかなり古く、バスのトイレのドアはガムテープで押さえてある…。ホテルも高級ホテルにしたはずだったのに、正面玄関前の道は細くきちんと舗装されていない…。
ホテル周辺は薄暗くて恐い!という印象。バンコクに着くなり急に不安な気持ちになったのでした。しかしホテルに一歩入ると、洗練されたインテリアの大空間が目の前に広がっているのです。この外と中の落差にただただ驚くばかり。この落差ある印象は、この旅行中さまざまな場面でも強くなるのでした。
観光地めぐりもよかったのですが、雑貨や街を観てまわったことはとても刺激的でした。バンコクの主要な道路は年中渋滞。乗用車は、ほとんど新車ではないだろうか?と思えるほどピカピカの日本車やヨーロッパ車ばかり。(でも、バスやタクシーは・・・)
あまりに立派な車ばかりだから、私たちの車をバンコクに持って来られないね!と笑っていたほどです。車の値段は日本の2倍以上するとガイドさんがおっしゃっていたので、皆さんかなりお金持ち。(たいてい2台持っているとか)
デパートのインテリアは、東京のデパートなど比べ物にならないほど上手く空間を活かしていました。ショップの造り方も見せ方も優れています。高級感あふれるデパートや、少しカジュアルなデパートはとても魅力的です。でも、すぐ隣にはデザインなど関係ない、値段が勝負のデパートがある。その数百メートル先には、1人で歩くにはちょっと恐い衣料品の市場がある。欲しいものによって、どの場所に行けばいいのかがはっきりしているから便利です。
それにしてもかなりの落差があります。
ホテルも何箇所か観てまわりましたが、バンコクのホテルはとても魅力的。東京の有名なホテルもほとんど行きましたが、どこか違うのです。バンコクのホテルで、たまたま結婚パーティーの準備をしているところを見ましたが、アメリカの映画に出てくるような雰囲気が作られていました。すでに集まっていた参加者たちのドレスアップした姿は、そのまま映画のシーンに出て行っていいのではないだろうかと思える人ばかり。日本でこんな光景に出会えるかしら?私が知らないだけ?
バンコクのお金持ちの人たちはかなり洗練されているのでしょう。街のいたるところで出会う人たちや、ショップを見てもそう感じました。
ただ、歩道には痩せた赤ちゃんを抱いた、痩せたお母さんが大きな紙コップを前に置いて、夜遅くまで座っているのです。排気ガスで黒くなりながら…。小学生くらいの子供達もいたるところでそうしていました。超高層ビルのすぐそばには、落差の激しい建物が建っている光景もいたるところで見られました。
そのときふと思ったのです。日本もそんな時代を経験して現在があるのだから、仕方ないのだろうか。でもちょっと違う気がしてならない。そして日本の皆が中流だと感じる、この平等な生活っていいものだなぁと。実力社会で、頑張った人がお金持ちになるのは当然かもしれないけれど、ある程度の平等は大人の社会ならでは!でないだろうかと感じたのです。
あらためて日本の欠点と言われていることが、とてもいいものに思えたのでした。
タイでは感心することも多くありました。タイでは日本の良さも多く感じました。
地球規模で考えると、何がいいのだろうと考えるいい機会にもなりました。